SIGN Trialとは・・・グリベック服用に伴う副作用をタシグナに変更する事によって、副作用が改善し、かつQOLも変化するかを検討した試験です。現在CML治療は様々な薬剤の登場により、病期進行リスクは非常に少なくなりましたが、その一方でCML治療薬による副作用や、起きた副作用への対症療法による影響が長期にわたる事により、患者さんのQOL(Quality
of Life:生活の質)を低下させている可能性があると考えられます。
海外で行われた臨床試験では、グリベックによる軽度の副作用が起きている患者さんをタシグナに切り替えた結果、67%の患者さんでグリベックによる軽度の副作用が改善され、62%の患者さんでQOLが改善されました。
いずみの会で実施された「CML患者の意識・生活に関するアンケート調査結果報告 2011 (第2回)」から、多くのCML患者さんが何らかの副作用を訴えている事実が分かり、日本人でも海外の試験と同様の結果が得られるかを検討する為に、我々はSIGN Trialを実施する事に致しました。
臨床研究名
TKI服用中の慢性期慢性骨髄性白血病患者を対象とした、Low-Grade
Side Effectsアンケート調査結果に基づいた、タシグナ切替え前後のLow-Grade
Side Effectsの変化を検討する多施設共同第W相臨床研究
(SIGN Trial)
目的
チロシンキナーゼ阻害薬を内服している慢性期慢性骨髄性白血病(CML-CP)患者の副作用をアンケート形式で調査を行い、潜在的な副作用症状を明らかにする。その後、積極的な副作用マネージメントやタシグナへの切替えによって、副作用症状の改善度合いを検討する。
この試験は、Tokyo
CML Conference(TCC)という研究組織にて実施されます。
現在、東京大学医学部附属病院の倫理委員会を通過し(2012年9月)、各TCC参加施設が倫理委員会を通している所です。
今後、東京の多くの病院にて実施される予定ですので、参加状況は皆様の主治医に直接ご確認頂くか、いずみの会までご連絡下さい。
研究事務局
東京大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科 南谷泰仁先生